農畜産物を生産・出荷している方をご紹介します
農畜産物を
生産・出荷している方を
ご紹介します
同じ作業でも天候や時期で違う、それが楽しい
スプレーマム部会所属 兵渡 佳亮さん
時を逃がさない
26歳から家の農業を継ぎ、スプレーマムの栽培を始めた佳亮さんは、約30アールのハウスで栽培しています。スタンダードな花型から「かわり花」と呼ばれる花型まで1年を通して約10品種を育てます。特に「ポンポン」と呼ばれる種類は咲き方が楽しく、好きな品種の一つです。スプレーマムは盆や彼岸など時期によって大きく需要が変化します。通年出荷をしていますが、需要が高い時期に合わせて栽培をしていくことで「機を逃さない」ことを心掛けています。
それぞれの品種に 合った栽培を
スプレーマムは品種ごとに色、花型だけでなく、咲き方、成長のスピード、茎の伸び方がそれぞれ異なります。また、天候や時期によってもそれぞれ異なってくるので、成長調整剤を使うタイミング、倍率、量が全て異なります。定植から約120日間、品種それぞれに合った栽培方法を考えながら、綺麗な咲き方と丈の高さが合った状態に仕上げなければなりません。 佳亮さんは「同じ作業であっても、花の状態で変えないといけない。それが苦しいときもあるけれど、農業の楽しさと感じる。これからも変わらず良い品質の花を作っていきたい」と話してくれました。
撮影者:山本 恵〈tori film〉
30年前に描いた
理想の日本庭園
川野 宙冏さん御津町
およそ30年前、自宅の建て替えを機に理想の庭づくりを始めた宙冏さん。当時は建築関係の仕事をしていたので、母屋と庭造りを並行して行いました。当時は30代後半。父親が作った庭と組み合わせ、自身のこだわりも随所に盛り込みました。その一つが、竹筒から流れる水を受ける「釜」です。もともと地元の漁師が漁に使う大きな網を、防腐のために煮る用に使っていた物で、この釜を庭に使いたいと思い、漁師へ直談判して譲っていただきました。また、庭に使われている水はもともと自宅にあった井戸水をポンプで汲み上げ、パイプを通して釜に流します。釜から溢れた水は「流れ」に行き渡ります。この流れには、鯉や金魚が泳いでいます。庭木に水を与える時も、家庭菜園の野菜や、花に水を与える時も、この井戸水が使われます。
宙冏さんの庭を象徴しているのが、自然の石を積み上げて造った灯篭(とうろう)と、およそ13トンという重量感のある岩です。こうした灯篭や岩を囲むように梅や椿、紅葉の樹が植わっています。 「なんとか納得のいく庭になったかな。ずっと手入れが必要だから大変だけどね」と話す宙冏さんは、知り合いが「庭を見に来た」と立ち寄ってくれることがうれしいと笑顔を見せてくれました。